DECORATION

デコレーション

印刷
2024年11月11日

 


文字や柄を自在に描く印刷を多彩にピックアップ。素材やアイテム、デザインに合わせてセレクト。
 

シルク印刷

シルク印刷はシルクスクリーン印刷のことで、スクリーン印刷とも呼ばれます。印刷する材質を選ばず、水と空気以外のものにはほとんど印刷できると言われるほど、インクの種類も豊富な印刷法です。シルク印刷には版が必要です。
昔はシルクが多く使われていたので、シルクスクリーンと呼ばれるようになりましたが、現在はナイロンやテフロンのスクリーン(平織物)を張ったものに原稿となるポジフィルムを現像し、必要な画線以外の目を塞いだ印刷枠(製版)を作ります。その印刷枠内にインクを入れ、ゴムヘラ(スキージ)でスクリーンの内面を加圧移動させることで、インクがスクリーンの目(孔)を透過して容器に転移し、印刷されます。

シルク印刷

 

金色・銀色の表現

ドロ金

ドロ銀

銀色、金色のシルク印刷での表現は、専用インクまたはメジュームに銀粉、金粉を混ぜて行います。これはドロ銀、ドロ金と呼ばれ、沈んだ色合いの表現になりますので、 メタリック感を出したい場合は、ホットスタンプをおすすめします。※1 メジュームは無色透明なインクで、主に顔料の希釈用に用いられます。※2 銀粉を混ぜたものに調色して金色を作る場合もあります。
※3 詳細については「印刷/ホットスタンプ」をご覧ください。

 

シルク印刷例

 

 

シルク印刷の種類

有機印刷

有機インクを用いた印刷で、印刷後に乾燥炉を通し硬化させます。 色調範囲が広くて多彩な色目が表現でき、ガラスボトル、樹脂容器等、オールマイティに対応。 また、塗装瓶やホットプロセス時にも有機印刷となります。(乾燥炉の温度目安:ガラスボトル/150~180℃、樹脂容器/50~70℃。)
※ 詳細については「印刷/ホットプロセス」をご覧ください。

 

UV印刷

紫外線に反応する感光性樹脂を使用したUVインクを用いる印刷です。
UV光(紫外線)にて短時間で乾燥・硬化させるので熱がほとんどかからないことから、加熱に弱い樹脂にも使用できます。 2~4色を1工程で印刷する自動機によく使用されますが、有機印刷に比べて色合わせが難しくなります。

 

無機(セラミック)印刷

 

ガラス粉末と無機顔料でできたセラミックインクで印刷後、高温( 約600℃ )の炉内で焼き付けます。インクがガラス表面に溶着し、半永久的に剥離することのない、 密着力が強く耐久性に優れた印刷です。但し、色目が焼き付け前と後で変わるので、色合わせが難しくなります。
※ 高温での焼き付けが必要なので、ガラスボトルのみに対応。 (塗装瓶は塗料が溶けるため不可。

<UV厚盛印刷>
UV厚盛印刷は乾燥時間も短いため、インクを厚盛りした、ツヤのあるぷっくりとした表現が可能です。
※ 細かい文字や柄には不向きです。
※ 厚盛部分は丸みがあります。

ドライオフセット印刷

主にチューブの印刷に使われる方法で、版から被印刷物に直接インクをのせるのではなく、ブランケットに転移(オフ)させてインクをのせることから、オフセット印刷と言われます。一般的なオフセット印刷は平版と湿し水を用いますが、ドライオフセット印刷は凸版を版面とし、湿し水を用いない印刷で、乾式オフセットとも言います。各色のインキングユニットから凸状の版にインクをのせ、ブランケット胴(ゴム製シートの巻かれたローラー)上に順次転移させ、ブランケット胴から1回の転写で、チューブに多色印刷を行います。チューブの印刷にはドライオフセット印刷、またはシルク印刷が主で、
繊細なデザインや細かい文字の印刷にはドライオフセット印刷が適しています。
※ 一般的なオフセット印刷については、「オフセット印刷」をご覧ください。

 

高輝度(パール)顔料を使った印刷

黒地に印刷 白地に印刷 フロスト地に印刷

シラリック®

「Xirallic®」は、人工的に合成されたアルミナフレークに金属酸化物を被覆した高輝度顔料です。天然マイカに比べ(アルミフレークは)表面が平滑なため輝度感が強く、(その上「Xirallic®」は)微量不純物に由来する黄味がありません。但し、(「Xirallic®」は)メジュームインクに混ぜて印刷するので、生地色が濃色でないとパール感が目立ちません。
※ 文字や細かい柄等には不向きです。
※ メジュームは無色透明なインクで、主に顔料の希釈用に用いられます。

 

底面への印刷

肉厚成形品の底面に印刷することで、印面が側面から透過し、個性的な表現となります。(塗装でも可能です。)

 

ホットスタンプ・ホットプロセス

ホットスタンプ箔・多色印刷箔を加圧・加熱して被転写物に当て、接着させる加飾方法で、その方式にはアップダウン式とロール式があります。版面は凸版で刻印と呼ばれ、デザインをラバー等に彫り込んでおり、被印刷体の形状によってR版や平版が用いられます。
※ 二次曲面には加工可能ですが、三次曲面には箔にシワが入ってしまうので不向きです。
※ 全周に転写する場合、重なる部分が出ますので、巻き目があります。

ホットスタンプ 箔を押す刻印( 上:R版 下:平版 )

ホットプロセス

シルク印刷を行い、半乾きの状態にしたインクを接着剤代わりにし、その上から箔をのせて接着させます。

ホットスタンプテクニック

 
ホットスタンプ (ローラー)

ホットスタンプ箔を、キャップやディスペンサーの側面に転写します。ローラーの幅は選択可能です。

ホットスタンプ(抜き)

文字や柄を抜いたホットスタンプが可能です。
※ 細すぎる線等は抜けにくい場合があります。

 
ホットスタンプ(全面)

3次曲面のないフラットなキャップなら、天面と側面の全面に転写できます。※ 全周に転写する場合、重なる部分が出ますので、巻き目があります。(写真右)